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脳卒中後遺症と訪問マッサージ

片麻痺・拘縮・痙縮の改善を目指す保険適用の自宅施術。
沖縄県内全域、国家資格者が訪問します。

脳卒中後遺症とは

脳卒中とは、脳の血管が詰まる脳梗塞や脳の血管が破れる脳出血・くも膜下出血の総称で、いずれも突然発症し、脳の障害部位に応じて様々な後遺症を残す疾患です。日本国内の脳血管疾患の総患者数は約188万人とされ(令和5年患者調査)、後遺症をかかえながら生活されている方は数百万人規模に上ります。沖縄県内でも医療機関にかかっておられる方は多く、当院でも複数の方の訪問マッサージを担当させていただいております。

脳卒中後遺症の代表的な症状は片麻痺(半身の運動麻痺)です。これに伴い、関節拘縮、痙縮(筋肉の異常な緊張)、感覚障害、失語症、嚥下障害、高次脳機能障害など、多様な症状が複合的に現れます。発症からの経過期間によって急性期・回復期・維持期・生活期に分類され、訪問マッサージは主に維持期・生活期の方へのサービスとなります。

脳卒中の急性期・回復期は医療機関でのリハビリテーションが中心ですが、維持期・生活期に入ると医療機関でのリハビリ時間は限定的となり、自宅での日常的な維持的アプローチが重要になります。訪問マッサージは、この維持期・生活期における関節拘縮の予防、痙縮による筋緊張の緩和、廃用症候群の進行抑制を主目的としたサービスです。

脳卒中後遺症に対する訪問マッサージの役割

訪問マッサージは、国家資格あん摩マッサージ指圧師を有する施術師が、医師の同意書に基づき、自宅や施設に伺ってマッサージと関節可動域訓練を行うサービスです。脳卒中後遺症の方への施術では、以下の役割を果たします。

第一の役割は、痙縮による筋緊張の緩和です。脳卒中後遺症で生じる痙縮(筋肉の異常な緊張)は、麻痺側の上肢・下肢の屈筋群を中心に強く現れます。徒手によるリラクゼーションマッサージと持続的なストレッチングにより、筋緊張を緩和し、関節を動かしやすい状態を作ります。

第二の役割は、関節拘縮の予防と改善です。麻痺と痙縮が長期化すると、関節を動かす範囲が狭くなり、徐々に関節が固まっていきます(拘縮)。一度進行した拘縮を完全に元に戻すことは難しいため、進行前からの予防的アプローチが極めて重要です。訪問マッサージでは、四肢の関節可動域訓練を継続的に行い、拘縮の進行を抑えます。

第三の役割は、健側(麻痺のない側)の機能維持です。脳卒中後遺症の方は、麻痺側をかばう生活が長期化することで、健側の筋疲労や関節への負担が増加します。健側の筋緊張緩和と疲労回復のためのマッサージも、訪問マッサージの重要な役割の一つです。

第四の役割は、寝たきり期における廃用予防です。重度の麻痺が残り、寝たきりに近い状態となった方では、廃用症候群(寝たきりに伴う筋萎縮・関節拘縮・心肺機能低下等)の進行を遅らせることが訪問マッサージの主目的となります。担当ケアマネージャー、訪問医療スタッフ、訪問リハビリのスタッフと連携し、ケアプランの中で訪問マッサージを位置付けます。

期待できる効果

訪問マッサージの効果は個人差が大きく、後遺症の重症度・発症からの経過期間・併存疾患の状況によって変動します。一般的に期待される効果を、薬機法・あはき・柔整広告ガイドライン(令和7年2月18日厚生労働省)に留意しつつ、客観的な範囲で記載します。

関節可動域の維持または改善が期待できる範囲としては、施術前と比較して肩・肘・股・膝・足関節の他動的可動域が広がる、または現状維持が継続できる、というケースが多く見られます。当院では月1回、ケアマネージャー様向け報告書に他動的可動域の数値(角度計測)を記載してご提出しています。

痙縮による筋緊張の緩和に関する効果としては、施術直後に麻痺側の筋緊張が一時的に和らぎ、関節を動かしやすい状態になるという声をご家族からいただくことが多くあります。ただしこの効果は短時間にとどまることが一般的で、継続的な施術によって日常生活上のケアのしやすさを支える、という位置付けで考えていただくのが適切です。

痛みの軽減に関する効果としては、麻痺側の肩関節亜脱臼に伴う肩の痛み(肩手症候群)、健側の慢性的な筋疲労、長時間の臥床姿勢による腰背部の痛みなどが、施術直後から数日間にわたって軽減するというご報告をいただくことがあります。

本人・ご家族の心理的支えとしての効果も無視できません。週1〜3回、決まった施術者が決まった時間に訪問することで、ご本人とご家族の生活リズムの一部となり、孤立感の緩和、ご家族の介護負担感の軽減に寄与するという側面があります。これは医療的効果とは異なる、ケアサービスとしての本質的な価値です。

施術の内容

訪問マッサージの施術内容は、ご本人の症状と当日の体調、麻痺の程度に応じて調整します。標準的な施術内容を以下に示します。

導入時のコミュニケーション(5分程度)として、当日の体調、痛みの有無、症状の変化を確認します。失語症のある方の場合、ご家族との情報共有を丁寧に行います。

マッサージ(10〜15分程度)として、麻痺側の頸部・肩・上腕・前腕・腰背部・大腿・下腿、健側の同部位のリラクゼーションマッサージを行います。痙縮の強い部位を重点的に、徒手による筋肉の緊張緩和を進めます。皮膚の状態(薄くなっていないか、内出血の傾向はないか)を確認しながら、強さを調整します。

関節可動域訓練(5〜10分程度)として、肩・肘・股・膝・足関節を中心に他動的な関節運動を行います。痛みの出ない範囲で、可動域の最大値まで動かす運動を、各関節10〜15回ずつ実施します。日々の継続が重要であり、ご家族にも簡単な自主訓練の方法をお伝えします。

記録と次回への申し送り(3〜5分程度)として、当日の施術内容・本人の様子・気づき事項を施術記録に記入します。月初には前月分の施術報告書を担当ケアマネージャー様に提出いたします。

脳卒中後遺症の方の訪問マッサージ よくあるご質問

Q. 脳卒中後遺症で訪問マッサージは保険適用されますか?

A. はい、脳卒中後遺症による片麻痺・関節拘縮・痙縮等で医師がマッサージが必要と認め、同意書を発行いただけた場合、健康保険が適用されます。1割負担で1回あたり300〜430円程度、2割負担で600〜860円程度、3割負担で900〜1,290円程度のご負担です。往療料も保険に含まれます。

Q. 脳卒中後遺症のどの症状にマッサージが有効ですか?

A. 片麻痺による筋緊張、関節拘縮、痙縮、感覚障害に伴う痛み、肩関節亜脱臼に伴う肩痛、健側の慢性的な筋疲労、寝たきり期における廃用症候群の予防などに対し、関節可動域の維持・改善、筋緊張の緩和を目的として施術を行います。

Q. 発症からどれくらい経っていれば訪問マッサージを利用できますか?

A. 医療機関での急性期・回復期リハビリが終了した維持期・生活期の方が対象となります。発症から6ヶ月以上経過していることが目安ですが、医療機関のリハビリと並行して訪問マッサージを利用することも可能です。詳しくはかかりつけ医にご相談ください。

Q. 寝たきりの状態でも対応できますか?

A. はい、対応しております。寝たきり状態の方ほど、関節拘縮の予防、褥瘡予防の体位交換、筋緊張緩和の必要性が高まります。担当ケアマネージャー・主治医・訪問リハビリのスタッフと連携しながら、ケアプランの中で訪問マッサージを位置付けます。

Q. 介護保険のリハビリと併用できますか?

A. はい、併用可能です。訪問マッサージは医療保険を使用するため、介護保険の限度額には影響しません。理学療法士による訪問リハビリと役割分担しながら併用されている方も多くいらっしゃいます。リハビリ(運動学習・動作練習)と訪問マッサージ(筋緊張緩和・可動域維持)は目的が異なるため、相互補完的に機能します。

Q. 効果はどれくらいで実感できますか?

A. 効果には個人差が大きく、また訪問マッサージは治癒を目指すものではなく症状の進行を遅らせる・現状を維持することを目的としています。1回の施術で大きな変化を期待するというより、週1〜3回の継続施術により、半年〜1年単位での状態維持が見られるケースが多くあります。

Q. 担当の施術者は決まっていますか?

A. はい、原則として担当制をとっております。同じ施術者が継続して伺うことで、状態の変化に気づきやすくなり、施術内容の質が向上します。担当者が急な対応で伺えない場合は、事前にお知らせの上、代わりの施術者がうかがいます。

沖縄県内の対応エリア

脳卒中後遺症の方への訪問マッサージは、沖縄本島26市町村すべての地域で対応しております。地理的に制約のある北部圏域(本部町、今帰仁村、大宜味村、東村、国頭村、宜野座村、恩納村、金武町)の方も、担当施術者の調整により定期的な訪問が可能です。

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